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【ガイド記録】2025.12/11-14 福岡県糸島の山旅 筑紫富士・可也山と蒙古山・立石山と芥屋の大門トトロの森 玄界灘の海の幸


福岡糸島の絶景低山と海の幸を楽しむ

立石山から望む筑紫富士・可也山

大阪南港から夜行フェリーで九州へ

大阪南港から名門大洋フェリーを利用して九州・福岡県を訪れ、糸島市周辺の低山をご案内してきました。今回の山旅のテーマは忘年山行、絶景低山をゆったりと楽しんで海の幸も満喫しようという趣旨でした。大阪南港からのフェリーは新船で非常にきれい。おひとりひとつのベッドでゆっくり休めるツーリストタイプのお部屋で、瀬戸内海の船旅も楽しむことができます。

2日目は蒙古山と芥屋の大門をハイキング

ガイド移動車にて福岡市最西端の漁港、西浦港へ到着したらちょうどお昼時でした。こちらには漁港で上がったばかりの魚介類を使った定食屋があり、昼食休憩をとりました。私が注文したメニューはサバ定食。肉厚で大きなサバを丁寧に焼いた一品で、ほくほくの身が絶品でした。店内は倉庫を改装したような広々とした作りで平日にもかかわらず次から次へとお客さんが入店してきました。美味しい海鮮定食に皆さん大満足。おなかいっぱいでこれから歩けるかどうか心配することになってしまいました。

準備を整えてストレッチを済ませて、いよいよ蒙古山へ向けて出発。港から正面に見えている低山が蒙古山(158m)です。

住宅地を過ぎて林道に入ってしばらく歩くと登山口に到着します。

登山口の看板には蒙古山の歴史が紹介されています。2度の元寇を経て犠牲者の追悼のため、近年山頂付近が整備され、ハイキングで訪れる方が多くなりました。

登山口からは一部急な道がありますが、あっというまに頂上の展望台へ到着しました。

蒙古山山頂へ到着。とてもきれいに整備されていて横綱・白鳳の手形や記念碑があります。

左の写真はすぐ隣の玄海島、細長く見える島は志賀島で有名な「漢委奴国王」と刻印された金印が発見された島です。その奥に博多の街並みを遠望することができました。

しばらく眺めを楽しんで記念写真を撮影、往路を下山することにしました。

下山後は予定表に入れていなかったのですが、二見ヶ浦海岸へ立ち寄りました。こちらには大きな夫婦岩の前に白亜の大鳥居がそびえて一見の価値ありです。今日は風が強く、白波が立つ景観はなかなかに迫力がありました。

本日最後の目的地、芥屋の大門(けやのおおと)に到着し、軽いハイキングにでかけました。芥屋の大門とは海に突き出た岩壁一帯を指し、その岩壁は溶岩が冷えて固まった時にできる柱状節理が見られることで知られています。うっそうとした樹林帯が頭上を覆う道はトトロに出てきた風景に似ているということでトトロの森と言われています。

森の中の展望台に到着すると西から北西の展望が開けます。お隣佐賀県のイカで有名な呼子周辺や遠く壱岐島を眺望することができました。

芥屋の大門と黒崎海岸を後にして本日の宿泊場所へ移動します。

今日のお宿は玄界灘に面した海岸にある民宿磯の屋です。部屋からはオーシャンビューの絶景が見られます。施設は少々古いのですが、こちらのお宿の自慢は玄界灘で獲れた新鮮な魚介類。厨房の目の前には大きな生け簀があり、そこから出したばかりの魚介類の料理は絶品でした。

夕食の紹介です。まずシマアジのお造りは脂が乗ってこりこりの身が非常においしかったです。それと生け簀から出したばかりのタイのお造りとお頭の煮つけ。九州の醤油は甘味があり、新鮮なお刺身によく合います。

続いてイカのお刺身ですが、まだ足が動いている抜群の鮮度にびっくり。活け造りのイカを初めていただきました。イカの頭の部分はお刺身とてんぷらにしてもらいました。揚げたての熱々イカ天ぷらはまさに絶品。全員でおいしいね~!と言ってすぐに平らげてしまいました。さらにアワビの踊り焼きが到来。まだぐりぐり動いているアワビを炙っていただくもので、これまた初めての経験でびっくり。これでもかと出てくる海鮮料理に大満足の夕食となりました。

3日目は立石山と筑紫富士・可也山へ

3日目、お宿の朝食もとてもおいしくいただきました。今日はまず宿から海のすぐ向こうに見えた立石山に登ります。

登山口までは宿から車で約10分少々。歩き始めると最初は急な道で岩がごつごつと、やや歩きにくい道を登っていきます。

しばらく歩くと展望が開けて、昨日歩いた芥屋の大門の岩壁と宿泊したお宿も見渡すことができました。芥屋の大門は春から秋にかけては遊覧船が出て大岩の直前まで船で乗り付けて、柱状節理の岩壁を楽しむことができます。それときれいな砂浜が近くにあるので海水浴シーズンは多くの人でにぎわう観光地となります。

立石山山頂に到着すると海に浮かぶ姫島を間近に望むことができました。短い行程でしたが大展望を楽しめる立石山はなかなか面白いコースです。下山を完了した後は、少し時間的に早いですが昼食場所へ向けて移動します。

昼食は岐志港のかき焼き通りと称される一角にある日進丸さんへ。こちらでは昔からある老舗の牡蠣小屋となります。今が旬の牡蠣ですが少し前に瀬戸内海の牡蠣が夏の暑さで壊滅状態というニュースがあり、九州ではどうかと尋ねてみると、やはり例年よりかなり数が少なく、大きさも小さいとのことです。こちらのお店では産地直送、とれたて新鮮な牡蠣を発送することもできます。

しかし実際に牡蠣を炭火で焼いて食べてみると、小柄ながらも非常にジューシーでぷりぷりの牡蠣を堪能することができました。牡蠣飯と牡蠣汁、その他車エビやイカなどもいただいて、またまたおなか一杯になりました。ご馳走様でした。

昼食後は今回の山旅で最後の目的地、可也山登山に向かいます。登山口の駐車場で身支度を整え、歩き始めると歩きやすいよく整備された登山道が続きます。筑紫富士という別名が物語るように富士山型の均整の取れた山容をまっすぐに登っていく登山道は序盤にやや急な角度ですが、山頂に近づくにつれて緩やかになっていきます。

可也山の中腹には昔の石切場があり、ここで採掘された花崗岩は遠く海を渡って、日光東照宮の鳥居にも使われているとのことです。加工途中の岩をいくつか見ることができました。

道が平たんになると可也神社が見えてきます。遥か昔神武天皇が東征の途中、この可也山にも立ち寄って山頂から国見をしたという伝承があるようです。この可也神社は皇記2600年(西暦1940年)を記念して整備されたものです。

可也山山頂に到着しました。山頂は樹林帯に囲まれ、あまり展望はありませんが、少し離れた展望台からは佐賀方面の唐津湾を眺めることができました。

唐津湾と福岡佐賀県境の山々の連なりを見て下山にかかります。

往路を下山して駐車場へ戻りました。登り始めは雨を心配しましたが、山中でも降られることはなく、筑紫富士・可也山を存分に楽しむことができました。これで今回の山旅の行程は終了となります。ご参加の皆様、大変お疲れ様でございました。

最後に小倉駅での新門司港接続バスを待っているときの一枚です。今回は3名様という少人数のご参加となりましたが、わいわいおしゃべりをしながら北九州の絶景低山と絶品の海鮮料理を満喫することができました。今後も初級の低山や観光を織り交ぜた九州の山旅を計画する予定ですので、ぜひお楽しみに。ご参加の皆様、誠にありがとうございました。またご一緒しましょう!

山旅ガイドサービス 井上


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