
猛暑の中、大和三山&大神神社とグルメツアー
今回は名古屋からご参加の2名様とオーダーメイド山行を実施しました。連日の猛暑ですが、名古屋の方にはなじみのない奈良の低山で山行時間が短く、またガイドおすすめのグルメを楽しめるということで畝傍山、耳成山、香具山の大和三山をご案内。まずは橿原神宮から畝傍山へ登ります。広大な境内もこの暑さのためか人はまばらでした。まずは本殿にお参りしてから登山口へ。



登山道に入ると森林の中を歩くので体感気温はだいぶ下がります。日本の暖地では森は植林や伐採などの介入がなく自然に放置されると、最終的に照葉樹林が中心の極相林となります。神宮の森なので古来伐採されることがなく、うっそうとした森の中に続く登山道はよく整備され、大変歩きやすい道です。



歩いていると目に付くのはキイチゴやヤマモモの実。特にヤマモモはたくさんあり、今の時期たくさん道に落ちていました。甘い香りがする実をすこしかじるとさわやかな酸味と甘さで、生食やジャム、果実酒などに用いられる初夏の味です。



境内からわずか30分程度で標高199mの山頂へ。金剛山葛城山方面の展望が開けて、休憩に適した広い山頂でおやつをいただきました。ガイド持参の冷えたカットフルーツがのどを潤してくれます。下山するとちょうどお昼時、予約しているレストランへ向かいました。



ランチは橿原神宮から車で数分の大和焼肉・結へ。古民家を改装した落ち着いた店内で山形牛の焼き肉をいただける名店です。たくさんのメニューのなかからおすすめのセットやアラカルトメニューを選択、久々に贅沢なランチをいただいて大満足!


締めは北海道生乳のソフトクリーム。非常に濃厚ですが後味がさっぱり、大変おいしくいただきました。



次は耳成山へ車で移動。登山道は珍しいらせん型で傾斜が緩くお散歩感覚で歩くことができます。



山頂からは次に登る天香具山が見えました。畝傍山と耳成山は古代の火山として知られていますが、天香具山は竜門山地の稜線が分離して独立したものとされています。また天香具山は大和三山の中で最も格式が高い山として、数々の伝説や万葉集に詠まれた歌が知られています。



大和三山の最終目的地、香具山駐車場から出発。階段の多い登山道を歩くこと20分少々で山頂に到着しました。



山頂はうっそうとした森に囲まれて、展望は畝傍山方面のみですが、万葉集に収められた舒明天皇の歌を見ると昔の風景がありありと浮かんできます。
大和(やまと)には、群山(むらやま)あれど、とりよろふ、天(あめ)の香具山(かぐやま)、登り立ち、国見(くにみ)をすれば、国原(くにはら)は、煙(けぶり)立ち立つ、海原(うなはら)は、鴎(かまめ)立ち立つ、うまし国ぞ、蜻蛉島(あきづしま)、大和の国は
古代奈良盆地には大きな湖があり、人が多くなるに従い干拓され、土地が増えていったのですが舒明天皇が在位の7世紀頃にはまだ湖沼があったのでしょうか。湖沼のほとりにある村落とそこから上がる炊事の煙、水面に休むカモメが目に浮かびます。



下山後はみるく工房飛鳥へ。こちらは地元の生乳を使ったソフトクリームを提供するお店です。近くにはランドセルを作る工房があり、たくさんの親子連れがランドセルをみた帰りにここに立ち寄ってソフトクリームを食べます。私も昔子連れできたのですが、久々においしいソフトクリームをまたいただくことができました。



大和三山を無事登頂後、最後に大神神社へお参りしました。大和国の一之宮、大神神社は蛇の神様を祀っているので今年はとりわけ多くの参拝者が訪れています。今日は夏至で夏越しの茅の輪が設置された日でした。この輪をくぐることで日々の暮らしで心身についた穢れを払い無病息災を祈るための茅の輪くぐりで、今年も後半に入ってのお参りができたことを喜びました。そして最後にグルメツアーの締めくくりとして三輪そうめんを食べる予定だったのですが、16:30を過ぎると周辺の店がすべて営業終了してしまい、三輪そうめんをいただくことができませんでした。奈良の飲食店は閉店するのが早いのですが、17時閉店の店でも、さらに30分前には店を閉めてしまうことを知らず、これは誤算でした。代わりに売店で極細の三輪そうめんを購入してお土産にしていただきました。またの機会に奈良の山旅をご案内し、その時にお店で三輪そうめんをいただこうということで、これで今回のオーダーメイド山行・奈良の山旅は終了。今回は遠路はるばる名古屋からご参加いただいたお二人様、誠にありがとうございました!
※このように数名様でご希望があれば、お好みに沿った行程といろんな楽しみを織り交ぜたオーダーメイド山行を承りますので、ご希望がありましたらお気軽にご相談下さい。
山旅ガイドサービス 井上