福井県の名峰2座へ


福井県・日本百名山の荒島岳と日本二百名山の能郷白山へ2日間の日程でご案内しました。本州付近に秋雨前線が停滞する中の出発、現地の天候状況を確認しながらの山旅となりました。まず初日は福井県と岐阜県県境にある能郷白山へ。能郷白山へのアプローチは岐阜県側からの林道は通行止めになっているので福井県大野市から登山口の温見峠まで入りました。
能郷白山の登りで天候急変・登頂を断念



能郷白山の温見峠コースはスタートから急登が続きます。さらに大小の梯子が11もあり、ガレ場もあり慎重な通過を求められます。ハシゴ場やガレ場がひと段落して稜線の肩に出るとコロンブスピークに到着。その手前少し前から天候が急変し、雨が降り始めました。さらに進むと雷鳴が聞こえ始めたので、残念ながらそれ以降の行動を断念。雨が降ったり止んだりする状況での下山となりました。


下山後の本日の宿舎は九頭竜温泉ホテルフレアール和泉。とろとろの良質な温泉が魅力の山間の一軒家ホテルです。施設に乾燥室はないものの雨に濡れた私たちの装備をボイラー室で乾燥させてくれる親切な対応に感謝。明日の天気予報もあまりよくないので、ご参加の皆様と相談して荒島岳登山は無理をせず、明日は観光に振替することを決定。お料理もおいしくゆったりと休むことができました。
荒島岳登山を変更、福井の観光巡りを楽しむ



本日は早朝より荒島岳登山の予定でしたが、天候の悪化が見込まれるため無理をせず福井観光に予定を変更しました。宿舎を出発後、まず大野市内にある湧き水・御清水へ。現在も地域の方たちが大事に管理している様子が分かり、きれいな湧き水がこんこんと湧き出ていました。印象的だったのは住宅街の普通の水路に沢蟹がそこかしこに見られたこと。それだけで水質の良さが分かりました。その後越前大野城へ登り雄大な展望を得ることができました。大野市内の奥に荒島岳の姿を遠望することができ、いつかまた再訪することを願って下山。



大野城から移動して次は勝山市内の平泉寺白山神社へ参りました。こちらは加賀白山を開山した越前の僧侶・泰澄によって8世紀に建立された古刹です。加賀白山に至る道は複数ありますが、この白山神社は越前側から登る際の玄関口。複数ある白山禅定道の最古の道として、最盛期にはたくさんの宿坊が置かれ、僧兵が自治したという歴史があります。現在では往時の面影はなく、境内を鮮やかな苔が覆って静寂が満たしています。今年は3回も加賀白山のツアーガイドを担当したので、そのお礼参りの意識もあり参拝したのですが、清浄な空気に癒されました。
越前大仏と古の遺跡に出会う



奈良在住の登山ガイドとして前から気になっていた越前大仏を訪問。こちらは昭和62年5月に落慶した寺院で福井の実業家が私財をもって建立されたとのことです。奈良東大寺の大仏様より大きな仏様ということでどのようなものか拝見したのですが、本殿の規模や大仏様の威容など私の想像を上回る規模で非常に感銘を受けました。



昼食を道の駅で済ませた後、福井観光の最後の目的地、一乗谷の朝倉氏遺跡を訪れました。かつて栄華を誇った邸宅の跡地を散策し、関西への帰路へ着きました。今回ご参加の皆様、天候不順で目的は達成できませんでしたが、安全のための計画変更にご協力いただき、誠にありがとうございました。またのご参加をお待ち申し上げております。
山旅ガイドサービス 井上