2025巳年から2026午年への越年山行

干支から干支へのリレー登山、2025年巳年大晦日に蛇峠山、2026年元日に陣馬形山を、どちらも南信州の山をご案内しました。
大晦日に蛇の干支を冠する山へ

山旅ガイドサービスの初の年越し山行の始まりです。関西から移動して長野県阿智村の治部坂峠へ。ここには浪合パークという公園があり、駐車場で準備と体操を済ませて出発です。


別荘地の中を進むとやがて登山道に入ります。登山道には積雪はなく、うっすらと昨夜降ったと思われる粉雪が日陰に少し残っていました。アイゼンなどの滑り止めも不要で歩きやすい道を登っていきます。


中腹の馬の背にたどり着くと治部坂峠を挟んで反対側に大川入山(1908m)が端正な三角錐の山容をみせてくれます。北の方角には雲に覆われた中央アルプス、北東には南アルプスの仙丈ケ岳を望むことができました。



馬の背から進むとすぐに国土地理院の電子基準点があり、そこを過ぎると蛇峠山の看板があります。さらに緩やかな山道を登っていくと、いくつもの電波塔が立っている山頂部に到着。


山頂部周辺にはうっすらと林道に雪がありましたが、凍結などはなく難なく通過。

南方を望むと愛知県最高峰の茶臼山(1416m)の奥に鈍く光る太平洋を望むことができました。


蛇峠山山頂に到着しました。大晦日にその年の干支を冠する名山へ。今年一年の山旅に感謝しつつ、登頂することができました。天候は風が出てきて雪も降りそうな空模様のため、写真を撮ってすぐに下山にかかります。

下山途中に登山道でたくさん見つけたこの物体、なんだか分かりますか?これは森に住むリスが松の実を食べた後にできる、まつぼっくりの芯です。その見た目から【森のエビフライ】と称されることがあり、自然学習などでよく紹介されます。動物の食痕がこのようになるなんて知っていると楽しいですね。

下山は往路をたどります。一か所だけ小さな沢沿いの道が凍結していましたが無事下山を完了し、本日の宿泊場所、長野県中川村の望岳荘へと向かいました。

望岳荘はその名前の通り高台に建っており、正面には中央アルプスが一望できる立地にあります。良く温まるお風呂と、お食事もおいしくいただき大晦日の夜が更けていきます。
新年になった夜空に花火が上がりました。うっすらと漆黒の夜空に浮かぶ白銀の木曽山脈をバックに、控えめではありますが、大輪の花火が上がって新年を祝っていました。
元日に午年を象徴する陣馬形山へ

元旦の朝、部屋から眺める中央アルプス・空木岳です。快晴のお天気と澄んだ空気に本日の山行への期待が高まります。


朝食もお雑煮とお節料理の内容でおいしくいただき、登山口へと出発しました。



陣馬形山の中腹にある登山口を出発すると、すぐに幅広の非常に歩きやすい登山道になります。アカマツやカラマツを主体にして、落葉が降り積もった道はふかふかで斜度も緩く、木漏れ日を浴びながらの快適な山歩きになりました。

しばらく登った山腹には巨大なブナの老木があります。天然記念物に指定される樹齢推定600年の丸尾のブナです。私も各地でブナの巨木を見てきましたが、これほど大きく威厳のあるブナに出会ったのは初めてでした。しばらくその姿を楽しんでさらに先に進みます。


山頂にほど近くなるとしばらく車道を進み、キャンプ場に到着しました。今は冬季閉鎖となっていてキャンプを楽しむ人はいませんが、ありがたいことにきれいなトイレを利用することができました。

広大なキャンプサイトからはこの圧巻の大パノラマ!



パノラマ写真の右から千畳敷カールと宝剣岳・日本百名山の木曽駒ヶ岳、そして同じく日本百名山の空木岳、そしてさらに南には南駒ヶ岳が続き、天空に浮かぶ白銀のスカイラインに圧倒されました。

キャンプ場から数分歩くと陣馬形山の山頂に到着です。


中央アルプスだけではなく東に目を移すと南アルプス北部の名峰が迫ります。広い裾野が特徴的な仙丈ヶ岳、そして北岳・間ノ岳・農鳥岳の白峰三山。南アルプスまでこんなにきれいに見られるとは思ってもいませんでした。


快晴かつ無風の山頂はため息がでる美しさ。毎年この時期に登るという地元の登山客も、こんなに澄んだ景観は数年に一度だよと太鼓判を押してくれました。こんな景色が見られるなんて本当に来てよかったね!とみんなで喜び合う大満足の元日になりました。ガイドの井上は今年が午年の年男につき、おかげさまで最高の新年のスタートをきることができました。


山頂の片隅には無料で使える備え付けの双眼鏡があり、千畳敷カールへレンズを合わせると、乗越浄土へと登る登山者の列を確認することができました。

山頂でおしゃべりをしながらゆっくりと過ごすこの贅沢な時間。素晴らしいタイミングでこの好天に恵まれたことを堪能しながら過ごしていたら、あっという間に小一時間が過ぎていました。山頂でいろいろ地元のことを教えていただいた登山者の方に感謝を伝えて下山の準備をします。

大展望の山頂が名残惜しいですが、山頂を後にします。



下山は往路を辿ります。落葉のクッションが利いた登山道をゆっくりと歩きました。舗装路に下りて下山完了。今回は僅か2名のご参加となりましたが、非常に印象的な大展望の越年山行となり、最高の思い出を共有することができました。来年の計画もたくさんできて、また夢を同じくアフリカ大陸最高峰・キリマンジャロへ挑戦する山仲間ができました。この度は年末年始のお忙しい時期にご参加いただき、誠にありがとうございました。
山旅ガイドサービス 井上
